民間移送とは

民間移送とは、正式には「民間の患者等搬送事業者」と呼ばれ、国土交通省の許可などを受けた民間の業者が、利用者さんの移動や移送を提供するサービス(有料)のことです。

 

対象者は、救急車(応急措置など)を要する程ではない方であり、病院や施設、個人的な目的地への移動をお手伝いします。

 

搬送目的の種類は、大きく「身体的ニーズ」「精神的ニーズ」のそれぞれによるものがあります。

どの業者も一緒じゃない

民間業者は国内に数多くありますが、何を「専門」とするかは異なっています。

 

特に、「精神科搬送」を専門とする業者の数は少なく、それを「やっています」と言っても、実際は、身体的ニーズの一般搬送を本業とする傍らで、精神科搬送を掛け持ちしていることがほとんどです。

 

精神患者の知識がある?

精神患者の「知識」がなくて、業務を行っている業者さんも少なくありません。

 

そもそも、搬送業の「許可」を得るための申請書国土交通局)には、精神患者についての項目(講義義務)が含まれておりません。

 

言ってしまえば、「車両や車庫」などのハード面の諸条件を満たせば3~4か月で誰にでも始められる仕事なのです。

 

ですから、必ずしも、心の病気(精神性疾患)の「知識」を有する必要はないのです。

 

精神科搬送のプロとは

とはいえ、精神科搬送の「プロ」は、この分野ならではの「能力」が必要だと、我々は学びます。

 

それは、コーディネートする力です。

 

コーディネートとは、その人(家族)の「求める移送ニーズ」「成長ニーズ」が異なっていることを大前提に、それに「合った受け入れ先」へつなげていく力のことです(医療、心のケア施設、自立訓練、福祉施設、休息施設など)。

 

適性な受け入れ先は、その人の「回復」を真に支えます。また、自分が「大切に扱われている」の根拠となります。

 

精神科搬送を謳う者は、この領域ならではの「特性」を理解する必要があり、それを欠く業者は、「単なる運び屋に終わる」と私は理解します。

 

ご利用者の回復を「真に支える」とは、その方のニーズを見極め、その初動(第一歩)をいくつもの資源の中から「コーディネートする」ことだと信じています。

 

 

24時間対応:090-3527-6728