民間移送とは、正式には「民間の患者等搬送事業者」と呼ばれ、国土交通省の許可などを受けた民間の業者が、利用者さんの移動や移送を提供するサービス(有料)のことです。
対象者は、救急車(応急措置など)を要する程ではない方であり、病院や施設、個人的な目的地への移動をお手伝いします。
搬送目的の種類は、大きく「身体的ニーズ」「精神的ニーズ」のそれぞれによるものがあります。
民間業者は国内に数多くありますが、何を「専門」とするかは異なっています。
特に、「精神科搬送」を専門とする業者の数は少なく、それを「やっています」と言っても、実際は、身体的ニーズの一般搬送を本業とする傍らで、精神科搬送を掛け持ちしていることがほとんどです。
とはいえ、精神科搬送の「プロ」は、この分野ならではの「能力」が必要だと、我々は学びます。
それは、コーディネートする力です。
コーディネートとは、その人(家族)の「求める移送ニーズ」「成長ニーズ」が異なっていることを大前提に、それに「合った受け入れ先」へつなげていく力のことです(医療、心のケア施設、自立訓練、福祉施設、休息施設など)。
適性な受け入れ先は、その人の「回復」を真に支えます。また、自分が「大切に扱われている」の根拠となります。
精神科搬送を謳う者は、この領域ならではの「特性」を理解する必要があり、それを欠く業者は、「単なる運び屋に終わる」と私は理解します。
ご利用者の回復を「真に支える」とは、その方のニーズを見極め、その初動(第一歩)をいくつもの資源の中から「コーディネートする」ことだと信じています。
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